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ブログ初日だというのにいきなり重い内容でごめんなさい・・・。
ただ、初心に返って考えてみたら一番忘れられない内容であり、ある意味初回の内容として相応しいかな!?と思って書きました。
では、早速ですが内容にはいります。

医者は、ほぼ例外なく一度は「受け持ち患者の死亡」を経験しています。
そして、ほとんどの医者がそのことについて脳裏に焼きついていることと思います。

当然、私も一医者として経験しています。
特に、初めて受け持ち患者様を亡くしたときの衝撃は忘れられません。
今日は、未だに夢にみることがあるそんな追憶を書いてみようと思います。

P6260011.jpg

私は研修医1年目でした。それは、数人目の受け持ち患者さんでした。
40代後半の男性で、「仕事にやりがいを感じている」という印象を受ける患者様でした。その患者様の病気は「肝臓癌」でした。

肝臓の8割以上は癌細胞に侵された状態で、腹水(お腹に水が貯まること)でお腹がはちきれそうな位に腫(は)れていました。

とても治療できる術はありません。正に末期癌の状態でした。
ですが、その現実をそのまま患者さんに伝えることができません。
家族(その人の妻)も「ありのままを主人に説明しないで欲しい。」と強く切望されていました。

できることといえば、安静にする!仕事だと思って食事をとる!毎日の点滴を続ける!輸血をする!こと以外に、
「予定のない手術」を肝臓の状態が落ち着くのを待っているのだと嘘をつくことだけでした。
そのような毎日が一ヶ月ほど続きました。

その間、私は毎朝、毎夕、会いにいきました。
治療のために会いにいくというよりは、その男性自身の話を聞くことが多かったと思います。
「この病気になって妻にとても苦労をかけた。この病気が治ったら恩返しがしたい。」
「今から新しい事業を始めようと思っている。だから、まだ死ねない!」
「私がいない間、家は大丈夫かな?早く手術の順番が回ってこないかな。」
いろいろな話を聞きましたが、そのほとんどの内容は治療を終えて退院してからの話でした。
私は、本当のこと(手術の予定はない)を話せないことが、こんなにツライことだとは思いませんでした。

・・・数日後・・・
その日、あまりに全身倦怠感が強く、手術の予定がたたない苛立ちもあったのだと思います。
「せんせい・・・もしかして、あきらめているんじゃないやろね!?おれは、ぜったいにあきらめへんからね!」と弱々しい声でいいました。
このとき、私がどのように答えたのかはハッキリ思いだせません。
ただ、これが最後の会話となりました。

患者様は、この日の夜中に永眠されました。

私の夢にでてくるのは、いつもこの場面です。
そして、今でもどのように答えたらよいのか、その答えに困ります。
夢の続きは行き詰まり、それでも同じ夢を繰り返します。
きっと、私の中に何か後悔の念があるのだと思います。

今も私の「医者としての人生観」に大きな影響を与え続けている思い出です。
どのように思われますか?
皆さんからの感想やアドバイスを頂ければ幸いです。


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私は研修医1年目でした。それは、数人目の受け持ち患者さんでした。
40代後半の男性で、「仕事にやりがいを感じている」という印象を受ける患者様でした。その患者様の病気は「肝臓癌」でした。

肝臓の8割以上は癌細胞に侵された状態で、腹水(お腹に水が貯まること)でお腹がはちきれそうな位に腫(は)れていました。

とても治療できる術はありません。正に末期癌の状態でした。
ですが、その現実をそのまま患者さんに伝えることができません。
家族(その人の妻)も「ありのままを主人に説明しないで欲しい。」と強く切望されていました。

できることといえば、安静にする!仕事だと思って食事をとる!毎日の点滴を続ける!輸血をする!こと以外に、
「予定のない手術」を肝臓の状態が落ち着くのを待っているのだと嘘をつくことだけでした。
そのような毎日が一ヶ月ほど続きました。

その間、私は毎朝、毎夕、会いにいきました。
治療のために会いにいくというよりは、その男性自身の話を聞くことが多かったと思います。
「この病気になって妻にとても苦労をかけた。この病気が治ったら恩返しがしたい。」
「今から新しい事業を始めようと思っている。だから、まだ死ねない!」
「私がいない間、家は大丈夫かな?早く手術の順番が回ってこないかな。」
いろいろな話を聞きましたが、そのほとんどの内容は治療を終えて退院してからの話でした。
私は、本当のこと(手術の予定はない)を話せないことが、こんなにツライことだとは思いませんでした。

・・・数日後・・・
その日、あまりに全身倦怠感が強く、手術の予定がたたない苛立ちもあったのだと思います。
「せんせい・・・もしかして、あきらめているんじゃないやろね!?おれは、ぜったいにあきらめへんからね!」と弱々しい声でいいました。
このとき、私がどのように答えたのかはハッキリ思いだせません。
ただ、これが最後の会話となりました。

患者様は、この日の夜中に永眠されました。

私の夢にでてくるのは、いつもこの場面です。
そして、今でもどのように答えたらよいのか、その答えに困ります。
夢の続きは行き詰まり、それでも同じ夢を繰り返します。
きっと、私の中に何か後悔の念があるのだと思います。

今も私の「医者としての人生観」に大きな影響を与え続けている思い出です。
どのように思われますか?
皆さんからの感想やアドバイスを頂ければ幸いです。


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【2006/06/26 10:37】 | ノンフィクション トラックバック(0) |


めろん
はじめまして。
ブログジャンキーでここにまいりました。
記事を読んでなんだか泣きそうになりました。
お医者さんというと、上からしか物を言わない高圧的な態度や、患者の意見や質問に耳を傾けてくれない方もいますよね。
でもあまのじゃくさんからは、すごく人間的な暖かい感情を感じました。
きっと肝臓癌の患者さんもそれを感じていらっしゃったでしょうね。

自分の妹が先天性の病で20歳で他界したせいでしょうか。
(20年間大学病院にかかっていました)
私は昔から、お医者さん、看護婦さんという方々に強い関心を持っています。
あまのじゃくさんの記事を読んで、昔読んで感銘を受けた「マイクルクライトン」の「インナースペース」という本の「研修医時代のエピソード」を思い出しました。
お読みになったことがあるかどうかぞんじませんが、現在作家であるマイクルクライトン(ジュラシックパークなどの原作者)は自分の情熱と実際の医療とのギャップに苦しんだ末、医師の道を断念し作家の道を選んだそうです。
普段私たちはお医者さんの内面に触れる機会がなかなかありませんので、その本を読んだ時、なんだか心がじんわりと熱くなりました。
今もその時と同じ気持ちです。
繰り返しになりますが、普段お医者さんという職業の方の内面に触れることができない一般人の私たちにとって、このようなブログはすごく嬉しくて新鮮に感じます。
お忙しいでしょうが、ぜひ今後も続けて頂きたいと思います。
長々とコメントしてしまって申し訳ありません。
また立ち寄らせて頂きますね。 ^^ 
興味深い内容のお話をありがとうございました。

コメント有り難うございます!
あまのじゃく
さらにお勧めの本まで教えて頂き本当にうれしいです。
さっそく探してみたいと思います。

始めまして
メタルぱんだ
俺は、「死の病」を患った事は無いので夢に現れる患者さんの気持ちは解りませんが、
天邪鬼さんの取った行動は、「それでいい」と思います。

正直、俺は、「病院は病気を治す所」とは思っていません。

治らない病気もあります。
医学は、万能ではありません。

もちろん、治る事を諦めている訳ではありません。

しかし、
「病院は気持ちの準備をする所」
であって欲しいと思います。

病気と共存する気持ちを準備する。
死と対面する気持ちを準備する。
所であって欲しいです。

たとえ、治らない病気であっても、
「治りません」「死にます」
と言葉にしなくても、
伝わる気持ちがあると思います。

病院は、そんな場所であって欲しいです。

天邪鬼さんの夢(気持ち)を忘れないで下さい。

俺のあさはかで、勝手な意見で申し訳ありません。


悠貴
初めまして。
FC2の足跡を辿って遊びにきました。

〝患者さんに本当のことを伝えられない時、どのように接したらいいのか〟。
これって、患者さんと関わる際に絶対にぶちあたる壁なんじゃないかなって思います。

私は医療者としてはどうかと思うのですが、涙腺がカナリ弱くてちょっと怒鳴られたりしただけも涙が出てしまうヘタレです。
一週間だけの集中実習でも、担当の患者さんとお別れする際に号泣してしまい先生に怒られました。

だから、実習でそういった患者さんに出逢った時、ベッドサイドに行ってお話を聞く自信がありません。
自分の気持ちが、患者さんとお話しているうちに溢れ出してしまいそうだから。

ツライと感じながらも、毎朝、毎夕、患者さんのもとに通い続けたあまのじゃくさんすごいなぁってのが率直な感想です。

「自分はあの時どうすれば良かったのか。ああすれば・・・こうすれば・・・」って、考えること。
それが大事なんじゃないのかなぁって思いました。
確かに「医療者として」求められる反応ってあると思うけど、自分がしたこと「これでいいんだ」って何の疑問ももたなくなっちゃうことのが怖いかなって。

私はまだ臨床のことは全然知らなくて、理想論的なことしか言えないけど、お話してみたい!と思ってこんなに長々とコメントしてしまいました。

また遊びにきます!




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コメント
この記事へのコメント
はじめまして。
ブログジャンキーでここにまいりました。
記事を読んでなんだか泣きそうになりました。
お医者さんというと、上からしか物を言わない高圧的な態度や、患者の意見や質問に耳を傾けてくれない方もいますよね。
でもあまのじゃくさんからは、すごく人間的な暖かい感情を感じました。
きっと肝臓癌の患者さんもそれを感じていらっしゃったでしょうね。

自分の妹が先天性の病で20歳で他界したせいでしょうか。
(20年間大学病院にかかっていました)
私は昔から、お医者さん、看護婦さんという方々に強い関心を持っています。
あまのじゃくさんの記事を読んで、昔読んで感銘を受けた「マイクルクライトン」の「インナースペース」という本の「研修医時代のエピソード」を思い出しました。
お読みになったことがあるかどうかぞんじませんが、現在作家であるマイクルクライトン(ジュラシックパークなどの原作者)は自分の情熱と実際の医療とのギャップに苦しんだ末、医師の道を断念し作家の道を選んだそうです。
普段私たちはお医者さんの内面に触れる機会がなかなかありませんので、その本を読んだ時、なんだか心がじんわりと熱くなりました。
今もその時と同じ気持ちです。
繰り返しになりますが、普段お医者さんという職業の方の内面に触れることができない一般人の私たちにとって、このようなブログはすごく嬉しくて新鮮に感じます。
お忙しいでしょうが、ぜひ今後も続けて頂きたいと思います。
長々とコメントしてしまって申し訳ありません。
また立ち寄らせて頂きますね。 ^^ 
興味深い内容のお話をありがとうございました。
2006/06/26(Mon) 21:42 | URL  | めろん #e4hVpvFM[ 編集]
コメント有り難うございます!
さらにお勧めの本まで教えて頂き本当にうれしいです。
さっそく探してみたいと思います。
2006/06/27(Tue) 16:28 | URL  | あまのじゃく #-[ 編集]
始めまして
俺は、「死の病」を患った事は無いので夢に現れる患者さんの気持ちは解りませんが、
天邪鬼さんの取った行動は、「それでいい」と思います。

正直、俺は、「病院は病気を治す所」とは思っていません。

治らない病気もあります。
医学は、万能ではありません。

もちろん、治る事を諦めている訳ではありません。

しかし、
「病院は気持ちの準備をする所」
であって欲しいと思います。

病気と共存する気持ちを準備する。
死と対面する気持ちを準備する。
所であって欲しいです。

たとえ、治らない病気であっても、
「治りません」「死にます」
と言葉にしなくても、
伝わる気持ちがあると思います。

病院は、そんな場所であって欲しいです。

天邪鬼さんの夢(気持ち)を忘れないで下さい。

俺のあさはかで、勝手な意見で申し訳ありません。
2006/07/03(Mon) 09:36 | URL  | メタルぱんだ #-[ 編集]
初めまして。
FC2の足跡を辿って遊びにきました。

〝患者さんに本当のことを伝えられない時、どのように接したらいいのか〟。
これって、患者さんと関わる際に絶対にぶちあたる壁なんじゃないかなって思います。

私は医療者としてはどうかと思うのですが、涙腺がカナリ弱くてちょっと怒鳴られたりしただけも涙が出てしまうヘタレです。
一週間だけの集中実習でも、担当の患者さんとお別れする際に号泣してしまい先生に怒られました。

だから、実習でそういった患者さんに出逢った時、ベッドサイドに行ってお話を聞く自信がありません。
自分の気持ちが、患者さんとお話しているうちに溢れ出してしまいそうだから。

ツライと感じながらも、毎朝、毎夕、患者さんのもとに通い続けたあまのじゃくさんすごいなぁってのが率直な感想です。

「自分はあの時どうすれば良かったのか。ああすれば・・・こうすれば・・・」って、考えること。
それが大事なんじゃないのかなぁって思いました。
確かに「医療者として」求められる反応ってあると思うけど、自分がしたこと「これでいいんだ」って何の疑問ももたなくなっちゃうことのが怖いかなって。

私はまだ臨床のことは全然知らなくて、理想論的なことしか言えないけど、お話してみたい!と思ってこんなに長々とコメントしてしまいました。

また遊びにきます!


2006/07/21(Fri) 18:20 | URL  | 悠貴 #AWYbN24I[ 編集]
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